NUDE〜彼女の心〜
鳥肌が立った。
その場にいたわけじゃないのに、その場のアウェー感とか周りの好奇な目とか簡単に想像できる。
もし俺が彼女なら…泣きはしないものの、取り乱して騒いでる気がする。
ふざけんな!って。
俺のせいじゃねぇだろ!って。
間違っても彼女のように落ち着いて、ましてやさらに今すぐこれで服作れとは言わない。…いや、言えない。
「それで…どうなったの?」
恐る恐る聞くと、アイちゃんは嬉々として続きを話してくれた。
「みんな呆気にとられて、シーンって静まり返ってたのに。そんな中、怒り狂ってたはずのデザイナーが急に笑い出したんです。
『…面白い子だな。
そんなに言うなら…魔法でも何でもかけてやろう。
こんなボロ切れからどれだけの価値を生み出せれるか…実にプレッシャーだよ』−−−−…」