NUDE〜彼女の心〜
意外にも電話の内容は良い知らせだった。
例の対談記事が巷では話題をよんでいるそうで、『Naoと対談したライターに是非…!』と、仕事が数件舞い込んできた。
トップモデルとカレーの組み合わせに驚いたとか、その発想の意外性がいいとか。
誰にとっても身近な食品を使って読者の心を掴んだ計算力が素晴らしいとか。
その道に詳しい人々はそう勝手に俺を評価し絶賛してくれるそうで。
社長までもが「やっと世間がお前を認めたな」なんて言ってくれちゃうし。
そう言ってくれるのも仕事が入ってきたのもありがたいが、はっきり言ってあれは偶然の産物だ。
計算どころか、行き当たりばったりもいいとこだ。
俺は何もしてないし、むしろ1度は怒らせて『話すことは何もない!』とか言わせちゃったぐらいだし。