NUDE〜彼女の心〜
カレーの話で盛り上がったあの日なんかはまるでツレと居るみたいに楽しくて。
構えることも気をつかうこともなく、自然だったから。
だから…さっきテレビで観た彼女が別人に思えてならなかった。
報道陣やファンに追いかけられて。
サングラスなんかかけて。
嘘くさい笑顔なんか浮かべて。
そのどれもが彼女であって彼女じゃなかった。
ちょっとの違和感と、改めて知った『住む世界が違う』疎外感。
だからこうして俺の知ってる彼女に会えて…−−ホッとした…−−。
しかし…−−−。
俺たちは友達じゃない。
ツレでもないし、親しいっていえるほどの間柄じゃない。
良く言って、顔見知りだ。
どこかで会えば挨拶する…ぐらいの。
だからこの状況、どうしたらいいかわかんねぇ…。