NUDE〜彼女の心〜
「……読んだよ」
カチャカチャ、スプーンを忙しなく動かしながらぶっきらぼうに彼女が言った。
「…ん?」
「……雑誌。読んだって言ってんの」
「あ、あぁ…うん。」
そんな曖昧な返事をして急いで水を飲んだ。
−−−…しまった!
せっかく彼女の方から話をふってくれたっつぅのに…!!もっと食いつきゃよかったっ!
そうは思ってももう後の祭りで。
微妙な空気が流れたまま会話は途絶えた。
こんな時こそ『へい、お待ちっ!』とカレー持って現れてくれよ、おばちゃんっっ!
都合のいい願いの元、チラッとキッチンらしき奥を見たが一向に運ばれてくる気配はなく。
だからわざとらしい咳ばらいをひとつしてから。
「どう…だった?」
怖ず怖ずと、一番聞きたかった感想をぶつけた。