NUDE〜彼女の心〜
口の中いっぱいのカレーをモグモグと噛みながら『う〜…ん』と唸る彼女。
何を思い出しているのか、やけにゆっくりともったいつけるかのようなしぐさをしてみせて。
「良かったんじゃない?」
生意気そうな口ぶりだったけど、その一言が聞けた今、やっと肩の荷が降りた気がした。
「そ、そうか!そりゃ良かったっっ!」
心底ホッとして。
はぁ〜…と盛大な息を吐いた。
「あ、そういえば!
あの特別号の売れ行き、かなりいいらしくて増刷だ何だって騒いでたよ。嬉しい悲鳴だってさ」
今んとこ共通の話題であるあの雑誌の話をして。
反響が本当にすごくて、おかげで仕事の依頼が増えたことを話して。
「お前のおかげだよ。本当……ありがとな」
面と向かっては照れてなかなか言えなかった礼を伝えた。