NUDE〜彼女の心〜
そう冷静に自己分析する彼女。
そして不本意だけど本当はそうじゃないけど、世間から見た自分を理解し受け入れてる彼女に少し圧倒された。
「だから私が笑ったとか、嬉しそうに語ったとか。そういうのを伝えてくれたのが嬉しかったかな」
臆面もなくそう言われちまうと…。照れるのはこっちの番になってしまって。
「そ、そうか…」
歯切れ悪くそれだけ言って黙った。
「でも……」
「ん?」
「1番…良かったのは…最後のとこかな」
「……………。」
何て書いたっけ、俺。
記憶を手繰りよせ、シメに使った文章を思い出そうとしていた。
「『カレーを“家庭の味”だと言った彼女。やがて彼女が愛する人と家庭を築いた時、カレーを作ったら何が入っていてどんな形の具が入っているのか…−−−』」