NUDE〜彼女の心〜
「じゃあ、連れてってやるよ」
「え…?」
「さすがに本場には連れて行ってはやれねぇけど、本場の味を出すとこなら連れて行ってやるよ。
美味い中華料理屋知ってんだよ。あ、マジで辛くて美味いキムチ出すとこも知ってるし」
本当につい…だった。
下心とかそんなつもりはまったくなくて。
でも彼女のびっくりした顔を見てしまった!と思った。
さっき空港で報道陣に囲まれた彼女が頭を過ぎって軽々しく誘っていい相手じゃなかったことを今更ながらに思い出して。
「あ、いや…でも、アレだな。あの…無理にとかじゃないから」
「絶対よっ!?約束だからねっ!」
でも彼女は俺とは逆に目を輝かせて絶対連れて行けと念を押すから、これはこれで良かった…のかな??
今から嬉しそうにしてる顔を見たら取り消しになんかできなくて。