NUDE〜彼女の心〜
教えられた病院は山の中腹辺りにあって、以前テレビに映っていた病院とは違うようだった。
ここは静かだし環境も空気も良い。療養するにはもってこいだな。駐車場に止めて車から下りて周りを見渡す俺はそう思った。
正面玄関を入って7階に行き、ナースステーションで要件を伝え来客票に名前を書くと看護師が遠藤を呼んでくれた。
フラッ…と現れた久しぶりの遠藤は目を疑うほどやつれていて。
少し痩せたようにも見えるし、目の下のクマやヨレヨレの背広が余計に疲労色を濃く見せていた。
「あ、先輩…。すいません、俺…」
「いや、いいんだ。それより…お前、大丈夫か?やつれ方がハンパないぞ?」
「いや…俺なんかよりNaoちゃんの方がずっと辛いっすよ…」
ガックリ肩を落とす遠藤を放ってはおけず俺は話を聞くことにした。