ＮＵＤＥ〜彼女の心〜

俺の精一杯の励ましの言葉に遠藤は力無く笑ってくれたから。


“俺の方が情けねぇよ。何の役にも立てなくてすまん”…って続くはずだった言葉は飲み込んだ。


「先輩を今日ここへ呼んだのにはわけがあって。

一つは、俺のヘコみがハンパないから褐いれてもらおうって思ったんすよ」


「あんまり役に立ててねぇけどな…」


ハハッ…と苦笑いをこぼせば、遠藤はそんなことないと首を振って。


「もう一つは…先輩、Ｎａｏちゃんに会ってくれませんか…−−−？」


そう言って真っ直ぐ俺を見るその目があまりにも真剣で、それから縋るような寂しさを秘めているから。


返事ができなかった…−−−。


遠藤の力になりたいとも、要求に応えてやりたいとも思うが。


込み入った事情をきいた後だけに簡単に『いいぜっ！』とは言えず…。