NUDE〜彼女の心〜

「…………。」


『Naoはまだ気持ちの整理もついてないし、現実を受け止めれてないからもう少し時間を与えてやってくれ。

あなたには申し訳ないが、もう少しNaoの傍にいてやってほしい』


そう言って頭を下げてその男は帰ったらしい。


「この話をきいてね、俺Naoちゃんの傍にいたいって思ったんです。

だってNaoちゃん、本当に……1人だから。1人ぼっちだから…」


堪えきれなくて遠藤は声を震わせた。


不自由な体と、これから先の不安だけじゃない。

計り知れないぐらいの孤独…−−−。


あいつが今どんな気持ちか、それを想像しようとするだけで胸が締め付けられる。


「でも…Naoちゃんにはお見通しで…。

『同情するだけ無駄だからね。遠藤さんが同情したって親はいないし歩けもしない』って言われちゃいました」


< 211 / 516 >

この作品をシェア

pagetop