NUDE〜彼女の心〜
少し前の自分を思い出して、怪しくも1人で笑ってしまっているとワゴンサービスが前からやってきた。
ちょうどビールもなくなってきたし、先はまだ長い。もう1本いっとくかな…。
手を挙げてワゴンサービスを止めるとビールとつまみを注文し、財布を出そうと体を動かした拍子にスポーツ新聞の見出しが目に飛び込んできた。
『元トップモデルNao引退!!輝かしい日々は去った!』
その文字に息がつまり、咄嗟にその新聞を引っ張った。
えげつないぐらい派手に飾った文字と、かつてのショーでライトに当たってる彼女の写真が大きく載せられていて。
「お客…様?」
怪訝そうな顔をして、ビールとつまみを持ったまま立ってる従業員に現実に戻された。
「あ、これも一緒に…」
新聞代も追加して支払うとすぐさまそれに目を通した。