NUDE〜彼女の心〜
病院内は走っちゃダメなんだろうが今だけは構ってられない。
そわそわしながら乗ってたエレベーターを降りて、ナースステーションで名前を書き込むと遠藤を呼んでもらった。
俺からの呼び出しに驚いた様子の遠藤だったけど、その顔はすぐに沈んだ。
「先輩…。新聞を見て来てくれたんですか?」
「あぁ、さっきな。本当なのか?引退するって…」
「…はい。Naoちゃんの意志は固いようです。俺達も散々説得したんですけどね。
『もう…残りの人生、静かに暮らしたい』って。」
「…………。」
「そうまで言われるとさすがに、ね…。」
苦笑いと共に遠藤はそう口にした。
「あいつに…会えないかな?」
「……え!?」
前回を思えば当然といえば当然の反応を示す遠藤に慌ててフォローをいれた。