NUDE〜彼女の心〜
『あんた、馬鹿じゃないの!?』−−−…って言ってくれたらいいのに。
そしたら俺も『ハハハ…』って笑って仕切り直せるのに。
だけどそんな淡い期待は淡いまま終わり…。
「……お引き取り下さい」
って、低い声が響いた。
「あ、いや、そのっ、決して怪しい者では…!」
慌てて弁解したみたが、さっきまでの怪訝そうな目はすっかり警戒の色に変わっていた。
「あ、いや、今ちゃんと名刺を…」
ポケットをゴソゴソし始めたが「警備員を…」なんて物騒な発言が聞こえたのでもう自己紹介なんてどうでもいいっ!
そもそも、そんなことをしにわざわざこんなとこにきたわけじゃないっ!!
万事休すの事態に俺は腹を括ってNaoに向き直った。