NUDE〜彼女の心〜
そのメールを見た後、どうやら俺はワープしたようだ。
………なんてのは嘘だが。
でもそれぐらい、俺にとってはまさに瞬間移動でもしたぐらい記憶が曖昧だ。
パソコンはちゃんと消したっけ?家の鍵かけたっけ?
俺、いつの間に服着替えたんだ?車、よく事故らなかったな…。
そんなことを改めて感じるぐらい。あのメールを見た瞬間、俺は弾かれたように動きだしてここまで−−…あいつの元までやってきた。
待合室にフラッ…と現れた俺に、遠藤は心配そうな顔色を浮かべながら『部屋で待ってます』と伝えてどこかへ消えた。
その神妙そうな面持ちから急に緊張してきて、今更ながらに解せない疑問が俺を襲った。
何で俺を呼んだ?一体、何の用があるってんだ…。
メールを見た時点で浮かぶはずの疑問が今更俺を悩ます。