NUDE〜彼女の心〜
「これが本当にドラマだったら『こうして愛し合う2人はやっと幸せになりました。めでたしめでたし…』なんだろうけど、残念ながら現実世界は続いてくのよ」
そう吐き捨てて、フンッ!と、鼻で嘲笑う彼女はさっきまでとはまるで別人だった。
「ある程度のお金は持って来てたってその日を食いつなぐので精一杯。
寝るところも住むところもない2人はしばらく公園の遊具の中にいたって。
“かけ落ち”だなんて格好いいこと言ったって所詮、未成年の家出でしょう?
そんな2人に家を借してくれるとこなんてあるわけなくて。だから色々偽って住み込みで働けるところを見つけて、やっと人間らしい暮らしができるようになったって。
2人で朝から晩まで働いて働いて、やっと生活していけるぐらいの貧乏なのに。そんな中で……私がデキちゃったんだよ」