NUDE〜彼女の心〜
「私は………ただの孤児じゃないんだ。殺人犯の子供で、親に捨てられた子なの。
そんなことを嗅ぎ付けられて世間に知られたら…“困る”どころの騒ぎじゃないでしょ?
だから私のプロフィールは非公開なの。」
「じゃあ何で……俺にそんな話しするんだ…?」
どうして俺なんかにこの話しを聞かせたんだ?俺に聞かせて何がしたいんだ!?
あいつの背中に疑問をそのままぶつければ彼女は黙った。
黙ってしまったのは涙を堪えているのか、答えを探しているのか。
なぜ口を閉ざしたのかわからないが、その沈黙の数秒が俺には途方もなく感じられた。
「………昨日私に『モデルの仕事が好きなんだろう?誇りがあるんだろう?』って言ったでしょう?」
「…??う、うん。でもそれが…?」