NUDE〜彼女の心〜
「私は……“可哀相な子”じゃない…」
「え…?」
「ずっと言われてきたの。私は“可哀相な子”なんだって。
親は犯罪者。おまけに殺人犯で挙句に捨てられて。孤児院の先生や周りの大人たちはみんな私を見ればそう言った。
それが嫌で、“可哀相な子”なんて言われたくなくて。だから街でスカウトされた時、自分を変えるチャンスだって思った。」
「…………。」
「スカウトされた時、まだ14歳だった。ずっと素性を隠してたから学校の子たちは私が孤児だなんて誰も知らないわ。
でも憧れだった。親や兄弟が待ってる家に帰る子たち。
親をウザがる子や、お兄ちゃんとケンカしたって言う、その家族の温もりみたいなのにすごく憧れた。
でもどれだけ羨んだって、憧れたって。願っても望んでも…私には手に入らない。」