NUDE〜彼女の心〜
「最初の頃、まだまだ無名で雑誌に載れるだけで喜んでた頃はね、それなりに楽しかった。
『がんばろうねっ!』なんて励まし合える仲間がいて、仕事終わりにみんなで安いファミレスに行ったりして…。
愚痴ったり、悪口言ったり。でも絶対売れよう!なんて語ったりね、フフ…」
「…………。」
「自分の“居場所”みたいなのを見つけた気がした。
施設にいるとね、周りは似たような環境の子ばっかなんだ。
私ほどヘビーな子はそういないけど、まぁ…親からの虐待に遭ってとか、親に捨てられて…とか。
それで保護されて施設で暮らしてるんだけど。食堂でみんなでご飯食べたりもするんだけどさ、楽しく…ないんだよね。」
「………ん?」
「何て言うのかなぁ〜……暗い…んだよね。暗くて、重くて静かなんだ…」