NUDE〜彼女の心〜
「そこで『何で知ってるのっ!?』って狼狽えれば彼女たちの思うつぼだし、開き直ったら余計に反感を買うだけ。
それがわかってたから私はただ黙って勝ち誇ったかのように笑う彼女たちを見てた。」
『逃げるが勝ち』…ってやつか?……いや、ちょっと違うか。
でもそれは賢明な判断だろう。
むきになったって仕方ないし、更なる反感を買ってあることないこと吹聴されても困る。
「それからどうなったんだ…?」
「それから事務所を代わった。彼女たちとは違って、私そこそこ売れてたから。
拾ってくれるところには困らなかったの」
あっけらかんとそう言ってクスッと笑うから俺もつられて笑った。
彼女の勝ち…だな。