NUDE〜彼女の心〜
「バリバリ人種差別だけど、日本人ってだけで結構馬鹿にされた。
英語がしゃべれたって、コミュニケーションが取れてたってダメね。
妬みや僻みは万国共通だったみたい。
またいつかに逆戻りよ。無視に陰口、仲間外れ…。まぁ、もう経験済みだからそんなことは屁でもないんだけど。
そうゆうのは売れれば売れる程エスカレートしていくし、それに比例して今度は取り巻きが周りにつくようになっちゃって。
頼んでないのにチヤホヤするし、キャーキャーうるさしい。
腹ん中じゃ何考えてんのかわかんないそんな連中がずっとついてまわるようになったけど、結局……私は1人だった。
いつの時代もどこにいても私は…1人なんだよ」
独り言のようにそう呟いて彼女はため息を吐いた。
悲しいとか、やるせないとか。そういう類いのものじゃない、どこか諦めにも似たため息を。