NUDE〜彼女の心〜
そして話の一区切りをつけるかのようにも聞こえたそのため息のあと、彼女はまた話だした。
「でもね、だからこそ私にとってショーは特別だった。
真っ直ぐのびるランウェイは、そこを歩くみんなに平等。
誰かにとって短いわけでも、誰かにだけ長いわけでもない。
ただ真っ直ぐのびたその道を歩く時は生まれや国籍なんて、ましてや親や孤児だなんて関係ないわ。
実力と…あぁ、多少の運はあるかもね。何にしろ、勝ち取ったその道を歩く時だけは私は私でいられる」
「…………。」
「そういう意味では………好きだったわ。この仕事。もちろん、誇りにも思ってた。
だって振り返ってみたら、自分で言うのもなんだけど……ここまでくるのに平坦な道のりじゃなかったもの。
そりゃ誇りにも思うわよ。そうでしょ?」
フフッ…て笑いながら俺に問いかけた。