NUDE〜彼女の心〜
相変わらず窓の外ばっか見て話すから。後ろ姿しか見えない俺には彼女がどんな顔して言ってるのかはわからない。
でも俺は「………うん」とだけ答えた。
「昨日、あんたに『モデルの仕事が好きなんだろ?誇りに思ってんだろ?』って聞かれて初めて今までを考えた。
ずっと…走り続けてきたから。スカウトされてから今日までただただ必死だったから。
好きかどうかなんて、そもそも何で自分はモデルをしだしたのかなんて考えた事もなかった。
だから一生懸命考えて、始まりを見つけたの」
「始まり…?」
「うん。モデルになった始まり。
それはね…“私は可哀相な子じゃない”ってことだった。
運命なんて変えてみせる!ってことだった」
「じゃあ大成功じゃないか。運命、変わったじゃないか。お前は可哀相な子なんかじゃねぇよ」