NUDE〜彼女の心〜
こんなに早くに入って行ったら、なんか…嬉しがりみたいで嫌だし…。
でもここに突っ立ってたって寒いだけだしな…。
いろんな意味で寒い俺はとりあえず冷たい風を避けるようにスタジオ横の隙間に入ってタバコとジッポを取り出した。
ゆっくり1本吸ったら行くか…。
寒空に昇っていく紫煙をぼんやり眺めながらそう思っていたら携帯が鳴った。
でも携帯のサブディスプレイに表示された名前を見てうんざりした。
また社長…。
もう〜…面倒くさいなぁ、この人…。
出る前から内容はわかってる。
だって2〜3日前から同じ内容の電話がずっとかかってるから。
もう本当、心底うんざりなんだけど。でも出ないと出るまでかけてきそうだし…。
煙と一緒にため息を吐いてから不本意ながら通話ボタンを押して耳に当てた。