NUDE〜彼女の心〜
お世辞でも何でもない、それは俺の素直な本心だった。
だってそうだろ?
今までそんな苦労があったとは知らなかったが、でもそれを乗り越えて真面目に積み重ねてきたから開花したんじゃねぇか。
しかも、見事な大輪を咲かせたじゃねぇか。
そう思って、マジでそう思ったからそう言ったのに。
彼女は静かに頭を横に振った…−−。
「私は…“可哀相な子”なんだよ。」
そう言うから。
自分で認めてしまったから…。
俺はそれ以上続けることを躊躇った。
「あ、勘違いしないでね。私、こう見えて親を怨んだことは一度もないの。
だって…怨んだって仕方ないから。怨んだところで……何かが変わるわけじゃないし。
だから自分の生い立ち云々に同情されんのもまっぴら。」