NUDE〜彼女の心〜
逃げないように−−…。
この腕の中から逃げていかないように、力いっぱい抱きしめた。
「俺が……いるから!」
「どっっ、同情は、、、い、いらなっっ…!」
子供のように泣きながらしゃっくりを繰り返す彼女は上手く言葉にならないようで。
だけど抱きしめた俺を離そうと暴れるあたりを見れば言いたいことはわかる。
でも離すわけにはいかない。やっと……素直になれそうなんだ。
やっと伝えられそうなんだ。だからこのままおとなしく抱きしめられて聞け。
「お前が……好きなんだ。」
「いっ、いっ、いっやっ!!」
そう言って尚も暴れ、しまいにはポカポカと殴りだすから仕方なく俺は彼女から離れた。
だけど車椅子の前にひざまずいて目線を合わせ、泣きじゃくる彼女と初めて顔を合わせた。