NUDE〜彼女の心〜
だからなのかもしれない。
ちょっと寒くて…。
虫の音とか聞こえちゃうこんな寂しい夜だからそんな風に思うだけで。
だから地元に帰れば、あいつのそばにいればそんな不安なんか吹っ飛ぶはずなんだ。
うん、そうだ。
そうに決まってる。
だから早く仕事を済まして帰ろう。一刻も早く、あいつの元に帰ろう…−−−。
−−−−…。
−−−−−…。
それがやっと叶ったのはそれからさらに3日たった日で、かれこれ1週間近く会ってない。
仕事も無事終わったし、あいつへの土産も買ったしさぁ帰ろう!
ウキウキと、どこか浮かれた気持ちで新幹線に乗り込み家路を急ぐ俺には、まさか抱えていた不安が、気づかぬふりをしていた不安がこんな形で現実になるなんて思ってもいなかった…−−。