NUDE〜彼女の心〜
きっと名刺交換になるだろうと思い、立ち止まって名刺入れを取り出していると。
「先輩っ!」
…ん?先輩…??
名刺入れに落としていた視線を訝し気にスーツの男に向けるとその男はもう俺の前に立っていた。
「……え??あっ、遠藤!?」
「はいっ!!良かった〜、忘れられてるかと思いましたよ〜」
そう言って笑うこいつは大学のサークルの後輩、遠藤。
久しぶりだなぁ〜とか、懐かしいなぁ〜とか。
俺が卒業して以来だから…何十年ぶりの再会につい喜んでしまって。
うっかり一瞬、対談を忘れそうになったけど。でもよくよく考えてみれば…。
「えっ、お前がモデルのマネージャー!?」
……って、驚きを隠せないまま聞いたら「あ、はいっ!どうもどうもこの度は…」なんてふざけながら名刺を渡してきた。