NUDE〜彼女の心〜


「みんなここに居たくて居るわけじゃないしね。何か面白いことないか探してるんだよ。」


そうでしょ?…っと、チラッとそいつらを見やり。


「家に帰りたいわよね。
家で…好き勝手にしたいわよね。

でも、残念ながらここで共同生活してんだから最低限のマナーは覚えなさいよ。

することなくてヒマなんだったらここで一生懸命頑張ってる私たちを毎日毎日ジロジロチラチラ見てないで、千羽鶴でも折ってなさいよ。早くみんながよくなりますようにって、願いをこめて一羽一羽折ったらどう?

他人を見てるよりかはよっぽど有意義な時間が過ごせてよ?」


言い方は優しくても、言ってることはなかなかの厳しさ。


それが効果あったのか、そいつらは帰って行った。


まぁ、不服そうではあったが素直が正論だってことは分かったんだろう。


その後、何事もなかったかのようにリハビリは再開されたが、帰り際にリハビリルームの何人かが素直に声をかけてきた。


『あんたも大変だろうけどがんばってね!』

きっと素直が元トップモデルだということを知らないだろうおばあさんがそう言った。



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