NUDE〜彼女の心〜

「……???」


「話したことあるでしょ…?
友達の家のカレーの話。」


「ニンジンが星型のやつか?」


「うん…。あの頃からの憧れなの。
あ、言っとくけど星型が羨ましいんじゃないからね!?

私のためだけに作られたカレー…って言えばいいのかな…。

その友達の家のカレーの話をした時に言ったと思うけど、カレーって『家庭の味』だと思うの。その家、その家の味があって量があって。入ってる具が違って…。

でも…私は知らないから。

自分ちの味も知らないし、大体、自分が作ってもらったことないしね?」


「…………。」


「だからきっと、私の作ったカレーは…箱の裏に書いてある通りの味にしかならない。

そう思ってたからさ、あんたの私のためだけに作ってくれたカレーが食べられて嬉しくて…。私、本当に幸せだなぁ…って。

そう思ったら何か…泣けてきちゃって…へへ…」


照れ隠しなのかそう言って笑ってみてる素直。





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