NUDE〜彼女の心〜

俺の怒りを遮って声を張り上げる素直。


「…あ?」


「私には…何もない。
こんな私…荷物なだけじゃない!

一人じゃ何も出来ないのにっ!
あんたに…あんたに何もしてあげられないっ!

あんたはこうやっていっぱいいっぱい、私に与えてくれるのに。私はあんたに何もしてあげられないっ!

横に…並んでいたかったけど…。
それは…ずっとじゃ…ない。

私はあんたに…カレーを作ったあげることも、手繋いでデートすることも出来ないし、それに…!」


涙を流しながら懸命に悲しい事実を告げようとする素直が痛々しく、そしてそれと同時に腹立たしくもあって。


素直の顔を無理矢理持ち上げれば、容赦なくその口を俺の口で塞いでやった。



まだ何か言い足りない素直は口を塞いでも暴れていて。

俺をポカポカ殴っていたが、その手も掴んでキスを深めればやがておとなしくなった。


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