NUDE〜彼女の心〜
彼女が現れたその瞬間、空間はガラッと世界を変えた。
ロングの黒髪を高いところで結い。
背筋をピンッと伸ばしてこちらに歩いてくる様は、まるでショーの一場面を観ているんじゃないかと錯覚するぐらいだ。
パイプイスに並んで座ってる俺達のところまで歩いてきた彼女に話しかけたのはマネージャーである遠藤。
「おかえり。遅かったね。もしかして迷ってた?」
クスクス笑いながら優しい顔で尋ねた遠藤に。
「ううん、考え事してた」
緩く首を振って答える彼女。
そのやりとりを見ていた俺をチラッと見た彼女と目が合った。
ポニーテールのせいか、少し目が釣り上がっていて不機嫌そうに見える。
「あ、こちらが今日の対談を記事にして下さる梶本樹さん。
俺の大学時代の先輩で、すごく面倒見がよくておもしろくて…」