NUDE〜彼女の心〜
何なんだ?
何がしたいんだ?
逸らしちゃダメなのか?
てゆうか、この不様な右手を取れよっ!
引っ込めるに引っ込めれないじゃないかっ!!
まるでケンカが始まる前のヤンキーのように無言の睨み合いを続ける俺達。
その妙な空気を変えたのは遠藤の緩〜い一言。
「あ、コーヒー買ってきてくれたんだ。ありがとう。
まぁ、とりあえず座ろうよ」
……ね?、なんて言って俺達の静かな睨み合いを終わらせた。
結局、彼女は俺の右手を取ることはなく(代わりにぬるくなった缶コーヒーを遠藤によって握らされた)、そして挨拶をすることもなかった。
遠藤に促され、俺の向かいに用意されたパイプイスに腰掛けると。
その嫌味なぐらい長い足を優雅に組み、不服そうな顔をして座っていた。