NUDE〜彼女の心〜

チッ!と舌打ちをし、置いてくれていた水を煽った。


「はい、おまちどう」


出来立てのバナナジュースを彼女の前に置いたおばちゃんは「樹くんのはもうちょっと待ってね」と言って奥に引っ込んだからまた2人になってしまった。


当たり前だけどしゃべることもなく、静かな空間には隣から聞こえてくるカレーをスプーンで掬うカチャカチャと鳴る音や、バナナジュースを堪能する音しか聞こえてこない。


それも引っ切り無しに。


大盛りカレーをパクパク口に収めていく様は気持ちいいぐらいだが、お前モデルなのにそんなに食っていいのか?と思うほどだ。


モデルってのは体型気にしたり維持したりで大変そうなのに。


「……はっ!

世界で活躍するスーパーモデルが大盛りカレーをバクバク食っちゃって…お前そんなんで本当にスーパーモデルなのかよ」


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