GIFT


(………誰?)


彼女じゃないし、っていうか彼女でもここにはこないし、この学校の少ない女子でもないし(見たことないし)

誰だ…?


記憶を必死に探りながら、頭を捻るとさっきのヤスとの会話を思いだした。


(もしや、今日ヤスが言っていた……転校生?)


そろりそろりと音を立てないよう梯子を最後まで上りきる。



ちらりと少女を見る。

………確かにケバくないし、美人だ。


だがなんでこんなとこで無防備に寝ているのか。

ここは不良校。下手したら襲われてもおかしくない。


まぁ、ここに人はほぼ来ないけど。そんな場所じゃないと寝ないと思うけど。


「……おい」


ふつーのトーンで起こしてみる。
起きる気配はゼロ。


「おい」


少し大きい声をだしてみても反応なし。


「おい!!起きろ」


やっぱり反応なし。


「………どんだけ爆睡…」


ひとつため息をつきその後もねばったが、起きない。

一応相手は女だ。蹴り起こすわけにもいかない。


……はぁ


もうひとつため息をつき、諦めた。
< 11 / 23 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop