GIFT
(………誰?)
彼女じゃないし、っていうか彼女でもここにはこないし、この学校の少ない女子でもないし(見たことないし)
誰だ…?
記憶を必死に探りながら、頭を捻るとさっきのヤスとの会話を思いだした。
(もしや、今日ヤスが言っていた……転校生?)
そろりそろりと音を立てないよう梯子を最後まで上りきる。
ちらりと少女を見る。
………確かにケバくないし、美人だ。
だがなんでこんなとこで無防備に寝ているのか。
ここは不良校。下手したら襲われてもおかしくない。
まぁ、ここに人はほぼ来ないけど。そんな場所じゃないと寝ないと思うけど。
「……おい」
ふつーのトーンで起こしてみる。
起きる気配はゼロ。
「おい」
少し大きい声をだしてみても反応なし。
「おい!!起きろ」
やっぱり反応なし。
「………どんだけ爆睡…」
ひとつため息をつきその後もねばったが、起きない。
一応相手は女だ。蹴り起こすわけにもいかない。
……はぁ
もうひとつため息をつき、諦めた。