GIFT
その時、ぴくりと少女の身体が動いた。かと思えば身体を丸まらせる。

一応頭には鞄をおいて枕がわりにしているが身体はなにもかかっておらず、冷たいコンクリートの上にスカートからのびた長い足がそのまま置かれていた。


「……はぁ」


もう一度ため息をつき、自分の鞄をあさる。

ふだんは鞄なんか持ってきていないが今日は特別に秘密兵器を入れ、持ってきた。


そして、ごそごそと鞄から取り出したのは…………




毛布だ。



それを持って、寝ている少女に近づく。


毛布を広げ、少女の身体にかけてあげた。


「ったく、寒いなら起きろよ……。こっちが寒い………」


なに自分柄にもないことしちゃってんの、とか思いながら半分は自分のために毛布を差し出した。






………生足は目の毒だ。




また自分がいた場所、少女から3メートル程離れたところに腰を下ろし、今度はポケットを漁る。



ポケットからタバコをだしくわえながらちらっと少女を見て、小さく呟いた。












「………なんかあいつに似てる…」





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