GIFT
2
……やってらんない
女というだけであの騒ぎっぷり。
欲求不満なの丸出し………
ホント、やってらんない。
今は屋上来ている。
屋上は静かで、さっきまでの騒ぎがどこか遠くに感じる。
ここに来るまでも、頭悪そうな男がヒューと口笛を吹きながらじろじろ見てきたり、頭悪そうな男に声をかけられたり、頭悪そうなこの学校じゃ小数の女に「なにこいつ」的な目で見られたり。
まぁ、全部完璧無視したけど。
だけど、やっぱり居心地が悪い。
自分の容姿はそれなりに理解しているし、じろじろ見られんのは慣れてる。
転校生ということもあり見たこともない人がいたらそれは気になるだろうが、だからといっていい気分はしない。
出来ることならさっさとこの場所から出ていきたい。
―――だけど、でも、知りたい。
本当はどんな所なのか。
………あいつがここで何を思って過ごしたのか。
聞いた話だと、あたしが探している彼らのたまり場は屋上。つまり、ここ。
けれど今、人の気配はしない。
だが、誰かがいた証拠に隅にはタバコの吸い殻が溜まっている。
まぁ、彼らがいる、いないにしろここは気に入った。
さっきまでの騒音が嘘のようにここはとても静かだ。