GIFT
朝からなんだか学校の雰囲気が違う。
落ち着きがない。
……まぁ、いつもないけど。
いろんな奴にあいさつされ、適当に返しながら廊下を歩いていく。
「よぉ」
自分のクラスの教室近くにくるといつもつるんでる伊東 泰秋(イトウ ヤスアキ)が声をかけてきた。
「よ。……なんか今日あった?」
ちらりと今自分が歩いてきた道を見ながら、聞いてみる。
「あー……今日な、転校生が来たらしい」
「転校生?」
だからなんだと言うのだ。たかが転校生で学校の雰囲気が変わることなんてない。
ふと、どこかの族の奴が入って来たのかと思ったが、それだったらすぐに誰かしら言ってくるはずだ。
「あぁ。それがな、女なんだと」
「……女?」
「そ。しかも今回はケバいネエチャンじゃないらしくて、かなり美人らしい」
「……へぇ」
こんな学校に来るなんて物好きな。
毎日喧嘩は勃発してるし、授業なんてないに等しい。
一般人がこの学校にきていいことなんて、ない。と思う。
この学校は不良のたまり場なようなもんだし。