GIFT
「物好きだな」
「まぁ、人は見かけによらないしな。もしかしたら前の学校でなんか問題起こしたとか?」
泰秋、通称“ヤス”が無駄に整った顔でいたずらっぽく笑う。
ヤスは髪も少し茶色いぐらいだし、一見さわやか青年だが、これでもこの学校の頭の右腕である。
一応今この学校を締めてる“頭(”と言われる奴といつも一緒にいて、かなりの頭がきれる奴だ。
正直、絶対に敵には回したくない。
「ま、なんでもいいや。俺昼寝してくるわ」
「あー、いつもんとこ?」
「あぁ、おやすみー」
「おぅ。俺も後でいくわ」
ヤスに背を向け、歩きながら答えるように手をあげる。
教室はうるさいし、廊下は顔が知れすぎて休まらない。
あんなに何回も会うたんびに頭を下げないでいいし、あいさつしなくていいのに。
まぁ、仕方ないかと思う。
なんせ自分はこの学校の頭なのだから。