アダムの林檎
彼女、マナミは理学部に所属していて、僕は教育学部に所属している新入生だった。


理学部と教育学部は同じ大学でもキャンパスが違い、授業や昼食で会う機会はほとんど無く、サークルだけで会う関係を僕らは続けていた。


僕と彼女が入ったサークル、ロック愛好会は月1のライブと飲み会がお決まりになっていて、県外から来て友達が少ない僕は入部以来、毎月飲み会に参加していた。


父親譲りの酒豪だった僕は、酒が好きだった所為もあり、その飲みぶりに友人がたくさん出来た。


先輩であるマナミは二回生ながらサークルの副リーダーで、彼女も毎月飲み会に参加していた。


今思えば、あの頃のままでいられることが、一番の幸せで、本当の願いだったのかもしれない。





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