届けっ!あなたに贈る恋の歌
「ほら、帰るぞ」
あたしは差し伸べられた手をとり、ゆっくり階段を降りる
「わざわざ迎えに来てもらわなくても、1人で帰れますぅ!」
「は?お前が1人で帰ったら危ないだろーが」
――ドキンッ
それって……
「迷子にでもなられたら探すの大変だしな」
あたしの方を見てニヤッと笑う真崎先輩。
次の言葉が予想できてしまったあたしは逃げようとした。
「どこ行く、花梨。家はこっちだろ」