近すぎて、遠すぎて。

「だから、なんだよ…？」



「俺はまだ、なにも言わない。」



「…………海斗の気持ちの問題だからなにもいわねぇよ。」



そういって俺の肩を叩いて歩いていった。



「心に、伊保のこと言いにいってくるわ。」



ちょっとして、れおんが見えなくなったら横から伊保が現れた。



「ごめん、全部聞いた。」



……最悪だ。
忘れるって言ったのに。



「あたしさ、絶対に振り向いてくれないのは分かってた。けどさ、そこまでだとは思わなかったよ。」



「………………」



「話がしたい。」



「今？」



「放課後。」



「ん。」



別れ話だろうけど。

こんな中途半端な気持ちで付き合っていくのが俺は辛い。