近すぎて、遠すぎて。
「うみと!心、クラスで可愛いって言われてたの聞いた?」
まじでーっ!
やったー!!
「あぁ。よかったな。」
なんかテンション上がんない。
『俺もそう思うよ。』とか言うでしょ?
少女漫画で見たよ?
「すねちゃってーっ!」
「ばっ…!お前っ!なに言っ…」
妄想に入ってたあたしは二人の会話なんて耳に入らず…。
「相沢〜!!」
だれっ!?
振り向くと、
「げっ…漱石…!」
夏目れおんがあたしに向かって走ってきた。
「おいっ相沢〜!探したぞーっ」
「来るな!漱石っ!来るな!」
あたしの声は虚しくも届かず。
「やーっと見つけた。」