近すぎて、遠すぎて。


「俺は、心と海斗がくっついて欲しいって思う。夏目からみて、どう思う?」



「すっげーお似合いっ!だって、ずっと付き合ってるって思ってたし!」



れおんの目がなぜか輝いている…

って、会話の中身は俺の話なのに、俺が話に入ってないって言う…(笑)



「壁だよ。壁。」



俺が言った。

やっぱり、俺には大きすぎる壁…幼なじみ。



「「やっぱそうくるよな。」」



れおんと裕の声がハモる。



「なんだよ、二人して!」



笑いが広がる。



「…同じクラスで同じ教室。隣の家で、生まれた時から一緒。それってすごいと思うんだよな。」



裕の言葉にれおんは頷く。



「ずっと一緒に居すぎて、『好き』が言えないって、それもすごい事だと思う。」



裕は続ける。



「俺は、海斗にその気持ちを大切にしてほしい。…誰だよ、俺ーっ!」



…なぁ、もしかして裕って。

裕って、

心が好きなのか…?

俺の応援してくれてるのは、分かる。

でも、直感でそう思った。

そうであるなら…

俺はどうしたらいいんだろう。
< 111 / 200 >

この作品をシェア

pagetop