近すぎて、遠すぎて。
「俺は、心と海斗がくっついて欲しいって思う。夏目からみて、どう思う?」
「すっげーお似合いっ!だって、ずっと付き合ってるって思ってたし!」
れおんの目がなぜか輝いている…
って、会話の中身は俺の話なのに、俺が話に入ってないって言う…(笑)
「壁だよ。壁。」
俺が言った。
やっぱり、俺には大きすぎる壁…幼なじみ。
「「やっぱそうくるよな。」」
れおんと裕の声がハモる。
「なんだよ、二人して!」
笑いが広がる。
「…同じクラスで同じ教室。隣の家で、生まれた時から一緒。それってすごいと思うんだよな。」
裕の言葉にれおんは頷く。
「ずっと一緒に居すぎて、『好き』が言えないって、それもすごい事だと思う。」
裕は続ける。
「俺は、海斗にその気持ちを大切にしてほしい。…誰だよ、俺ーっ!」
…なぁ、もしかして裕って。
裕って、
心が好きなのか…?
俺の応援してくれてるのは、分かる。
でも、直感でそう思った。
そうであるなら…
俺はどうしたらいいんだろう。