近すぎて、遠すぎて。


次の日、土曜日だったから裕ん家に行った。

インターホンを鳴らすと、裕がでて、ドアを開けてくれた。



「わりぃな。急に。」



「いや、別に暇だったし。」



入れよ、と裕が言い俺は裕ん家に入った。

すぐに階段を上がり裕の部屋に入る。
何十回も来た場所だからもうなんでもわかる。



「話あるんだろ?」



「…まぁな。」



言ってもいいんだろうか。
聞いてもいいんだろうか。
でも、聞きたい。



「なぁ、裕ってさ…。心が好きだろ?」



お茶を注いでた手が一瞬止まった。



「んな訳ねぇだろ。」



何事もなかったかのようにお茶をまた注ぎはじめた。

嘘、つくなよな…。
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