近すぎて、遠すぎて。
裕Side
隠し続けた気持ち。
『心が好き。』
海斗にばれるなんて考えもしなかった。
目の前にいるのは俺に頭を下げた海斗。
海斗は悪くないのに。
海斗は自分を責めた。
でも強気の海斗もいて、
心は渡せない、と頭をちょっと起こして俺の目をみてはっきり言った。
もらうつもりなんてねーよ。
「頼むから、頭上げろ。」
俺の部屋の中、ベットに座る俺に、ドアの前で頭を下げる海斗。
おかしい。なにかおかしい。
「いやだ。」
「ほんと、困る…頭下げられることほんとないから…」
「いやだ。」
なら、これしかない…
「あっ!心!」
窓を指差しながらそういった。
ばっと顔をあげて、
「うそ?どこっ?」
そういうから俺は笑った。
「やっと頭あげた。」