近すぎて、遠すぎて。


俺の部屋に誘導して、
俺ら三人で地べたに座った。



「…………………」



誰も何も話さない。



「……ぷっ!」



夏目が吹き出した。



「わりぃ…俺静かな空間苦手なんだわ。」



笑いながら言うから聞きづらい。



「俺もっ!」



海斗まで笑いながら言った。



その後は、ほんとたわいもない話をした。

やっぱり話は恋愛系に繋がる。



「裕はさ、好きなやついねぇの?」



……今、禁句だろ。
海斗も、『その話はやめろ』的な顔をしている。



「いるよ。」



夏目に嘘はつきたくなかった。



「まじで!……誰か聞くのはやめとくな。」



場の空気を読んでか、夏目は口を出さなかった。
それも、夏目のいいところ。
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