近すぎて、遠すぎて。
全力で走った。
走って走って走った。
風があたり乾燥したのか目から涙がでてくる。
風のせい?あたしの涙なんだろうか。
「待てよっ。」
追いかけてきてるのは分かってた。
だからあたしは走った。
足には自信があったけど、やっぱり男の子には敵わない。
追いつかれてしまう。
腕は掴まず、あたしの目の前に立った。
ぶつかりそうになったけど、なんとか止まった。
「危ないじゃんっ!」
「逃げるからだろ!?」
………まぁ、確かに?
「言ったよね?あたし海斗と話したくないって。」
「言ったよ。でも俺は話さないつもりはない。」
「だからっ!」
「俺は、心が好きだから。」
そう言ってあたしを抱き寄せた。
…………なんて!?