近すぎて、遠すぎて。


静かな時間が流れる。
チャイムが鳴ったけど、
戻ろうとは二人ともしなかった。
まず、颯太は帰っていいと言われてるらしいからな。
かばん持ってるし。



「明日から学校来んの?」



「おぅ。」



「そっか。よろしくな。」



「今さらかよ。」



笑ったら、颯太は昔から八重歯でるんだよなぁ。



「ちょっと!ばかやろっ!」



タッタッタッと走る音と同時に心の声も聞こえた。



「え。何やってんの?」



「ばかいとっ!何やってんの?はこっちのセリフじゃ、ぼけーっ!」



ばかとかいとを繋げんな。
てか、何気に何やってんの?が俺に似てるし。



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