近すぎて、遠すぎて。
吹き抜ける風が気持ちいい。
もう、夏だと感じる生温い風すら気持ちいい。
「なんで走んのー?」
引っ張られながら、心に話しかける。
「は?授業中だろ?」
「いつも、サボりたがる心に言われても怖くありませーん」
息切れしながら、途切れ途切れに話す俺ら。
「もうつくし!それならはしろーよ!」
って言ってたら着いた。
ガラッ
「松ちゃん!連れて来たよ」
松ちゃんは担任のあだな。
松崎だからな。
「あらまー、ご苦労様。立川くんも授業受けるの?」
「心が目で圧力をかけてきたからこういう…」
「あたしのせいっ?」
「ちがいます、ごめんなさい。」
笑いがクラス中に広がった。