近すぎて、遠すぎて。
夜は早く寝て、もう全てをリセットするつもりでいた。
「んっ……朝か…」
眠たいまま体を起こし、目をおもいっきりこすった。
「朝だよー」
「えっ?えっ…え?」
どこからか聞こえた声。
母さんの声ではない…。
「目ぇ覚めた?」
声のするほうに目を向けた。
「心っ!?」
開いたドアにもたれかかった心がいた。
「そんな驚かなくても。」
「なんだよ…朝から。」
「珍しく早起きしたから、海斗起こしにきたの。」
一瞬で目が覚めた。
「そ。着替えるから、ほら、しっしっ」
手を払うように振って、部屋から出す。
「早く着替えてよね。」
ドアの向こうで心が喋る。
掛けてある制服を着て、ドアを開けた。
「朝ごはんできてるって。あたしも貰うねっ!」
そういい、俺の手を掴み階段を下りた。